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日本にある木材で高断熱の住宅を建てる

なぜ日本の住宅は「本物」の木を使わないのか 「木のイノベーション」が日本の地方を救う
https://toyokeizai.net/articles/-/232718

『人口減少時代の日本のビジネスはどうなっていくのであろうか。この連載らしく、今回も木や建築物のことからいろいろ考えてみたい。
すでに日本の生産年齢人口は1995年をピークに減少しており、人手不足はいよいよ深刻だ。一方で、従来型のビジネスで大きな設備投資をしても先の需要はあまり見込めない。単純に消費者も減っていく。つまり、モノを作るときはできるだけ投資を少なくして、効率よく作るかが問われる。また使うときはランニングコストのことが気になる。一般に、「建物が建っている間のトータルな維持管理費は、建設費の5倍」と言われている。 総務省によると日本には約6000万戸の住宅があるが、約820万戸が空き家である。

ここで、空き家対策を行っている国としてよく手本とされるのがイタリアだ。同国では都市部の人口集中などで、1960年代に農村が荒廃した。だが1980年代に入ってスローフード運動やアグリツーリズムなどをきっかけに、村の空き家を使った「アルベルゴディフーゾ」という分散型のホテルが増え、人口の流出が止まった。それらのホテルは大きな改築などなく、ほとんど昔のままの状態で、その雰囲気を楽しむものである。つまり、田舎の生活が都市居住者の癒しとなるわけだが、これは経済の理にも適っている。要はそこにあるものをうまく転用(コンバージョン)しているわけである。
一方、日本でも、以前に比べて古民家を改築するなどのリノベーションが増えてきている。これも新築に比べて、投資を抑えて新しい価値を作り出すという点で良い例である。空き家などは「今そこにあるもの」を使っているのである。

このように、そこにあるものをうまく使うという点で見渡すと、「まだまだ使えるいろいろなもの」が見えてくる。こうした視点で日本を見たとき、資源として持っていながらうまく使えていない代表選手は「森林」だと思う。実際、日本は国土の3分の2が森林だ。戦後に植林された森林も、すでに50年以上が経っているものが多くなり、伐適期を迎えている。これをうまく利用しない手はない。入り口があれば出口もなくてはいけない。空き家は空き家としてうまく使いつつ、森林を使うということに関して、住宅という出口をきちんと用意すれば、今よりもずっと有効に使うことができる。
「森林」は有用なバイオマスエネルギーとして取り上げられることが多い。だが、エネルギーだけではなく、製材にして、より高い値段で売り、高付加価値で使うことが、森林や森林ビジネスの持続可能性にとって極めて重要だ。もし安く売ってしまうと、森林に再投資できない。そうなると持続可能な開発ではなくなってしまう。だから、「森林」はどうやって、製材にして上手に使うか、考える必要がある。
あまりよく知られていないのだが、実は住宅メーカーの建てる建物のほとんどは、外国産の木を原料とした集成材(複数の木材を接着剤で再構成した木材のこと。その反対は丸太から切り出した無垢材)でできている。まったく「木が狂わない」からだ。木が狂う、あるいは割れるなどという顧客のクレームへの対応で、集成材がほとんどになってしまった。
マンション業界も似たような話がある。同じように顧客からのクレームに対応していった結果としてドア枠などが、木というよりも「紙で固めた素材」になっているのだ。一見、木に見えるが実際は紙で固めた素材に木目のついたプラスチックのシートが貼られているわけだ。だが竣工時、あるいは購入時こそかなり綺麗だが、すり減ってくると白いシートが見えてくる。最初が一番良く、あとはどんどん劣化するのだ。一方、本当の木はどうか。確かに使えばすぐ傷がつくかもしれない。だが、だんだんと味が出てくる。時間とともに変わってくるのだ。
では、日本の本来の木造の家はどうしたら、「森林」から出たホンモノの木でつくられるようになるのか。冒頭で「住宅という出口を考える必要がある」といったのはこのことである。もう少し詳しく見ていこう。

「売れる木の家」を作ってたくさん売ればいいのだろうか。よく木の山地の森林組合が木材の利用促進を考えてモデルハウスを作ることがある。理解はできるのだが、大抵は日本の伝統工法で作るか、 ログハウスのようなものを考えてしまう。つまり、マーケティングを考えるとまさに売り手にとって売りたいものをつくるわけだが、これは残念ながら、消費者にとっては迷惑なだけである。
一見難しいかもしれないが、大きな付加価値をつけて、売れるようにしなくてはいけない。
ではどうすればいいのか。
筆者は、そのカギは住宅の温熱性能(どれだけ断熱できるか)になると考えている。温熱性能が良い、すなわち暖かい家である。そのときの主な担い手は大手の住宅メーカーではなく、むしろ地域の工務店である。実は高い温熱性能の家を作る技術は、近年特に進んでいる。これらは建材そのものの進歩に加え、技術によってさまざま点がシミュレーションできるようになったことが大きい。
建材の進歩は、今までエネルギーが事実上「だだ漏れ状態」に等しいといわざるをえないアルミサッシから樹脂製や木製のサッシに、窓ガラスがシングルガラスやペアガラスからトリプルガラスに変わってきたことが大きい。それまでは高性能なサッシは国産ではなかったのだ。温熱性能そのものに関しても、2020年をメドにある程度のレベルまで引き上げるよう義務化される見通しだ。もし義務化されてもそのレベル自体は先進国の水準と比べても決して高くない。だが何しろ断熱された建物の数量が少ないので、仕方ないレベルとも言える。いずれにしても、改善された建材でできた家は、従来の家に比べて快適でかつエネルギーの使用量も少ない。
前回多くの反響があった「『教室のエアコン設置論』よりも重要なこと」でも書いたが、日本には、家が寒いことによって疾患が起こりやすく、年間1万7000人もの人がヒートショックで亡くなるという。まさに、日本の住宅は非健康的といわざるをえない。食事や栄養学、スポーツなどの話ならみんな飛びつくのに、こと住環境に関しては無頓着なのは、ものすごくアンバランスに思える。

では、実際にどのくらいの断熱をしたらいいか。断熱の効果については、なにしろ実務経験者がかなり少ないので、とんでもない印象論が広く流布している。これも前回書いたが、たとえば「高断熱高気密」というだけで、「湿気の多い日本では適していない!」と言われる始末である。
「そういうときの、そういう人の頭」にあるのは2000年ごろに輸入された 「R2000」という北欧系の住宅の仕様だ。確かにこれは窓が小さく、通気性が悪そうだ。筆者もこれは日本の風土に合わないと思う。実は最近の住宅メーカーが導入しているQ(あるいはua値)と言われる性能を表す数字を競争する場合も、残念だがこれとさほど変わらない印象の家になる。
Q(あるいはua値)は「熱損失係数」と言われ、小さければ小さいほど熱の出入りがないことを示す。「この値が小さい住宅」は、すなわち、エネルギー負荷の小さい建物になる。
だが、窓からの熱の出入りが多い場合、窓を小さくしてしまう。これは大きな誤解のもとになりかねない。本州以南の地域では太陽の恩恵をもっと受け、それを窓で受け止めるべきである。だから、南側の窓は大きくなる。そうやって、大きくしていくと床面積40坪(約132㎡)程度の家なら、エアコンにほとんど頼らなくてよくなるほどだ。きちんと断熱して、南側の窓を大きくすることで、自然のエネルギーをうまく使うということができる。
よく、「そうなると建築が高価になってしまう」と言われる。だが、きちんと断熱すれば窓が大きくても、高くなるといっても、金額は200万~300万円程度である。とすれば光熱費の差額(年間20万~30万円は違う!)でその金額の元を取るのは10年ほどかかるが、 エアコンの買い替えやその台数を考えると、10年よりももっと短いと考えて差し支えない。
では住宅メーカー各社は、なぜもっと真剣に断熱の分野に取り組まないのだろうか。Q値の話もしたが、最近では各社とも温熱性能の競争を繰り広げている。だが営業マンが持つ専門的な知識がまだまだ少なく、その有用性をきちんと訴求できていない。
もちろん各社とも「2020年基準」という最低限のバーは越えようという対応まではできているが、 その基準は前述のように大したことがない。筆者はさらにその上を目指すべきだと考えている。

だが、住宅メーカーは「マーケットのニーズは思ったほど大きくない」などと言う。だが、そうではない。実のところ、あるレベル以上の断熱をしようとすると、現在の生産ラインをすべて改造しなければできないという事情があるのだ。今までは壁の断熱を柱の間だけ行う「軸間断熱」でよかったのだが、それ以上の性能になるとさらに外側に付加する「付加断熱」が必要になるからだ。
だが、住宅メーカーでも、実はこの付加断熱を標準にして売り上げを伸ばしているメーカーもある。たとえば一条工務店(本社:東京都江東区木場)である。
同社は、テレビコマーシャルなどは打っていないものの総合展示場で顧客を獲得、住宅メーカーの中では安い単価を保っているので、急速に売り上げを伸ばしている。
一方、住宅メーカーには「アキレス腱」がある。「型式認定」という仕組みだ。これは、標準設計を、余裕を持たせて国土交通省に申請することで、個別の構造計算をしなくてもいい仕組みである。温熱環境に関しても同様で、特に個別の対応を必要としない。これは強みであると同時に弱みでもある。つまり、建物がどこに建っているか、どう建っているかで、日差しの入り方、風の抜け方などは個別に設計されるべきだからだ。地域によっても、気候が違う。つまり、本来はその地域ごとに合わせた設計が行われるのが理想的である。大手の住宅メーカーは、なかなか対応しきれない。

では、誰がこれからの木造高断熱住宅の担い手になるのか。
答えは明快だ。一条工務店のような、地域に根を張る有力工務店である
と私は思う。温熱のシミュレーションソフトは10万円程度で手に入る。また温熱の専門知識もだいぶ広まってきている。付加断熱への対応の手間はかかるし、それが全体の単価を引き上げるが、顧客満足度からするとそれは大きな差ではない。 実際、そういった中小の工務店が確実に成長してきているし、建材メーカーも、エコハウスの商材に積極的に取り組みつつある。
では、なぜ地域の工務店が有力な担い手になることができるのか。それは危機感の裏返しでもあろう。人口が減り、地方ではすでに大きく仕事が減ってきている。その生き残り策は、住宅の性能向上が最も有効なのである。この分野は、大手の住宅メーカーは一部を除いてまだ対応しきれない。
その隙になんとか大手住宅メーカーが対応できないレベルまで行ってしまおうという作戦である。実際、技術的には比較的簡単なソフトで温熱計算ができるので、そこでのシミュレーションのフィードバックを重ねることで技術が磨かれ、大手が追いつけない水準にまで達するのだと推測する。
一方で、住宅を考える場合、実は大事なプレーヤーである建築の設計事務所の対応は遅い。単純に「断熱に対するアレルギー」があるからなのだが、年間に経験する棟数が少ないので、トライアンドエラーができないという理由もあるかもしれない。

こうした高断熱の住宅を、なんとか日本にある木材で建てられないものだろうか。以前、ある工務店の親方に「無垢材で家を建てて、柱が反ったり割れたりしてクレームになって困った」という話をされた。一方、ある 林業家は「木はもともと生き物だから、反ったり、割れたりは当たり前だ」と言う。
どちらが正しいのか。実際はどちらも真実である。だが本来なら無垢材は、木が反ったり割れたりしても十分な強度を見ているので、何の問題もないはずである。これは、構造というよりも、どちらかというと消費者の意識の問題ではないか。
何しろ、日本はフィンランドやスウェーデンに次ぐ「世界第3位の森林国」である。その木を普通に使う、地域の木で地域の住宅を建てるほうが素直だと思う。
またエネルギー的な側面からも理にかなう。森林を使って住宅を建てるとはどういうことか。日本は「資源が少ない」と言われ、エネルギーの自給率5.5%程度だ。先進国の中でも極端に少ない。その内訳で特徴的なのは、住宅や業務を合わせたいわゆる民生部門、つまり建物でエネルギー全体の3分の1を使っていることだ。このエネルギーの話は、「パリ協定」の遵守をするにあたっても、たいへん重要である。
経済産業省の試算によると、2030年までに二酸化炭素の排出量を、日本全体で26%削減しなければならない。同省はそのために 住宅、民生部門の削減率を40%で設定している。その一方で経産省は「2030年までに新築住宅の半分をZEH(ゼロエネルギーハウス)にする」としているが、この目標では「住宅、民生部門の削減率40%」は無理そうである。

もう一度、話を最初のビジネスと家の話に戻してまとめよう。今までの日本のさまざまなビジネスモデルは、ほとんどが人口増加時代用のものである。家で言えば新築で、スクラップアンドビルドしていくのが当たり前だった。需要が増えるので、そうしたほうが、効率が良かったからだ。どんどん必要な床を作っていったわけだ。人口増加時代なら作ればさしてうまく作れていなくてもすぐに埋まったし、新しいものも好まれた。
しかし、今はこのやり方は通用しない。人口減少の局面で有効なのは、徹底してあるものを使うということだ。空き家然り、森林然り、労働力然り。今あるものをどうやって組み合わせ、新しい価値を生むかということである。外部から輸入しているエネルギーを減らし、身近にある森林を使う。またその過程で出た残材をエネルギーで使うのだ。
そうやって「外部に依存していたもの」を内部で置換していくのだ。もしエネルギーのように、外に払っていたお金が減って、地域にお金が落ちること になれば、そのお金は再び、地域に投資されるようになる。そうやって、外部にお金が出ないやり方をしていくことが大事である。地域の側から見れば、住人が健康になって、病気にならなければ、医療費も減る。
住宅産業はどこにでもあるので本当に見過ごされやすい。だが、一つひとつの商品は高価格である。住宅産業で「木のイノベーション」が起これば、地域の中で大きなお金が動く。高単価で地域が潤い、エネルギー消費は減り、人々の健康は増進する。まさに、「一挙三得」な成長分野である。』


家は性能。こだわりの家づくりなら一条工務店
https://www.ichijo.co.jp/?gclid=CjwKCAjw2MTbBRASEiwAdYIpsVYw6-CfknPyeOOXvz9dagHr9uD-rsp7lFE2V8EA9RXxJahP0RlqmxoCQ1UQAvD_BwE




日本の住宅はドイツに比べ熱効率が悪すぎる 「脱炭素」では30年超の致命的な遅れに
https://toyokeizai.net/articles/-/219498

『みなさんは「低炭素社会」という言葉が、いつのまにか「脱炭素社会」という言葉に取って代わられているという現実を、どれだけ深刻に受け止めているでしょうか。
筆者は、最近ますます日本の行く末が心配でなりません。世界は石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料から、再生可能エネルギーにどんどんシフトしようとしています。つまり、炭素を減らす「低炭素」から「脱炭素」へ。現実として、どんどん加速しているからに他なりません。
日本に住んでいる私たちはまだ、そんな時代が本当に来るかどうか、確信が持てないのかもしれません。なにせ、日本ではエネルギー自給率6%、再生可能エネルギーの比率が14.5%程度なのですから、仕方がないかもしれません。この中にはもともとあった大規模の水力発電がその半分の約7%含まれているので、 新しい再生可能エネルギーは7.5%程度です。これらのエネルギーが伸びていって、80%を超えるまでには何年もかかると、つい考えてしまいます。
しかし、ドイツのような最先端の国は2050年までに脱炭素を叶えようとしています。 前回の記事「日本はEV化の超重要な流れをわかっていない」でも「日本はドイツに30年遅れてしまったかもしれない」と書きましたが、実際はもっと遅れているかもしれません。

まずは「30年遅れ」についての一定の根拠を挙げたいと思います。実はドイツの1995年ごろの電力における再生可能エネルギーの比率はわずか5%前後でした。
その意味では今の日本は数字で見れば、ドイツの23年前とほぼ同じです。ドイツではパッシブハウスという、エネルギーがかからない家や集合住宅が建てられてすでに25年以上が経ちます。しかし日本にはそのクラスの住宅は数十件ほど。集合住宅にいたっては、ようやく2017年にできたのです。ファスナーなどで世界的に有名なYKKの富山県・黒部市の社員寮をリノベーションしたパッシブタウンの建物です。これだけで「25年遅れ」が確定的ですね。
でも、それ以上に遅れているような気がしてならないのです。そこでざっくりと30年と考えましたが、本当は30年以上かもしれません。
こうした見方をすると、よく反論されます。代表的なのはこんな意見ですね。「確かにドイツは再生可能エネルギーの普及が進んでいる。だがフランスの原子力発電の電気を買っているので、それに頼っているのでは?」と 。
欧州は一つの電力系統で結ばれていて、マーケット原理で最も安い電気を買うので、ドイツが原子力発電による電気も買っているのは事実です。ここで、むしろ大事なのは系統が一つになっていて、縦横無尽に電気が流せることができるということであり、ドイツとフランスの「電気の貿易の収支」です。
ドイツとフランスの電力収支を見ると、ドイツが圧倒的にプラスです。それでも、たとえば、風の吹いていない夜に、水力発電の電気が高かったら、ドイツは経済合理的な判断として、フランスの原子力発電でできた電気を買うのです。別に頼っているわけではないのです。
ここで、読者のみなさんに質問です。日本では電力系統がいくつあるか、ご存じですか。答えは主要10電力会社の分、10系統が存在します。各電力会社が持っており、電力のやり取りもあります。しかし欧州のように一つの市場にはなっていません。やり取りも限定的です。それどころか、つい最近までは「再生可能エネルギーによる電力は事実上受け付けない」状態でした。これが、ようやく改善されようとしています。
理由は、それぞれの電力会社の持っている発電施設がすべて稼働した場合の容量が基本となり、それ以外のものを拒否していたのです。ドイツでは再生可能エネルギーで作ったものもすべて買い取らなければいけないという全量買取制度だったのが、日本ではこの全量という概念が制度に組み込まれていなかったためです。これはあまり合理的な判断とは言えません。もっと合理的な考え方に近づくことが求められていると思うのです。

ここからは、日本が脱炭素社会に向けて行っている施策に関して、いろいろ考えてみたいと思います。 2015年、パリで行われた地球温暖化防止のための協定、すなわち「COP21」を遵守するために、各国は2030年までにCO2(二酸化炭素)の削減を行うことを定めました(2013年実績比)。 日本ではそれを達成するための具体的な手段として、建築関係では(1)「住宅の温熱性能に関しての建築基準法を2020年から義務化する」(国土交通省)、(2)「2030年までに新築の半分をZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)にする」(経済産業省)の2つを、主な目標として定めました。
さてここで今回の2つ目の質問です。COP21に関して、経済産業省が定めたCO2削減目標は何%か、ご存じですか。知っている方も多いと思いますが、答えはなんと-26%です。分野別にみると、オフィスや役所、ホテルなどの業務関係で-40%、住宅などでも-40%となっています。

削減目標

これは結構、衝撃的な数字だと思いませんか。実は、この数字は1次エネルギー換算なので、簡単に言うと今まで使っていたエネルギーをそのままそのパーセンテージで減らすということとほとんど同じなのです。そして、これは新築だけではなく既存の住宅もすべて共通に減らすということなのです。なぜ-40%などという比率になったかというと、最近もずっと増加傾向にあるから、厳しい数字が課せられているのです。
実際、前出の(2)「新築の半分をZEHに」と言っても、それだけでCO2を劇的に減らせるわけではありません。既存の対策も抜本的に必要なのです。また前出の(1)=建築基準法の改定に関しても、やらないよりはいいのですが、基準が緩すぎて削減効果を読める状態ではありません。そこに大きな整合性はないように思われます。
一方、ドイツは、時代とともに着実に削減をしてきており、2020年前後ですべての州で、「カーボンニュートラルハウス」(ゼロエネルギーあるいはすべてのエネルギーを再生可能エネルギーで賄う)にすることが義務付けられています。こうしてみると、日本はやはり「30年超」遅れていると言えませんか。
重要なのは、遅れているという認識を持って「どうやったら追いつけるか」と考えることです。そこでもう一度 、(1)の建築基準法改定(国土交通省)を引き合いに出して対策の質がどのようなものか、考えてみます。
円グラフをみてください。

断熱性能

今の日本の家の現状を温熱性能ごとにあらわしたものです。2020年に向け照準としている「H11基準住宅」は全体の5%しかありません。無断熱住宅も高い比率なので、国土交通省がここを目標にするには悪くないかもしれません。しかしこのH11基準住宅でも、もし 全館暖房をすると、ドイツのエコハウスであるパッシブハウスのエネルギー消費量から比べると6~10倍のエネルギーを消費してしまうのです。まるで1ℓあたり3kmしか走らないアメ車と30km/ℓのハイブリッドカーを比較する感じです。このように、日本の家の義務化基準は、決して厳しいものではないのです。
「全館暖房なんて贅沢だ!」と思う方が少なくないと思います。今の断熱性能が低い家では全館暖房などしたら、それこそおカネがいくらあっても足りないかもしれません。しかし一方で日本では年間約1万7000人が「ヒートショック」によって浴室で倒れ、亡くなっているとも言われます。全館暖房をしていない日本の家は、健康被害を起こすほど寒いのです。欧州では省エネルギーから始まった住宅の高性能化に関して、日本ではその必要性を認めないところに、最大の問題があると思います。』

テーマ : こんなお話
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