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地方創生⑭

ふるさと納税でサクラのオーナーに「管理大変」
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20181104-OYT1T50091.html

『青森県弘前市の弘前公園で(11月)3、4の両日、同市のふるさと納税「日本一の『さくら』応援コース」に協力した「さくらオーナー」たちが桜守の仕事を体験した。
参加したのは、さくらオーナー226人のうち、体験希望者とその家族計21人。東京都や静岡県から駆けつけた人もいた。
参加者たちは、弘前公園のサクラがリンゴの管理技術を応用した「弘前方式」で管理されていることや肥料や剪定せんていに関する基礎知識を学習。その後、同公園の桜守に連れられ、自分が「オーナー」になっているサクラの剪定や根元に肥料を与えたりした。
埼玉県川口市から参加した女性(56)は、「サクラを管理する大変さがわかった。春のさくらまつりの時に再訪し、自分のサクラの開花を見たい」と話した。
同コースは、寄付者を桜の「オーナー」に認定する特典がつく仕組みで、寄付金は同公園のサクラの維持管理費に充てられる。』


ふるさと納税返礼「3割超え」、なお174自治体
https://www.asahi.com/articles/ASLC754KYLC7UTFK00P.html

『ふるさと納税をめぐり、返礼品を寄付額の3割以下に抑えるよう求めた総務省の通知に対し、返礼率3割超の返礼品を出している自治体が11月1日時点で174あることが、同省の調べでわかった。同省は来春にも地方税法を改正し、通知に応じない自治体を制度の対象から外す方針だ。
総務省は昨春以降、返礼品を「寄付額の3割以下」「地場産品」とするよう自治体に度々要請してきた。ただ、法的拘束力はなく、「3割」の根拠が不明確なこともあって、全自治体の約1割が従っていない状況だ。
同省は、「地場産品」以外の返礼品を出す自治体も9月1日時点で190あると指摘。通常ではわかりにくい「裏メニュー」のような形で、金券類の返礼品を用意している自治体があることも朝日新聞の報道で判明しており、同省も全体像は把握できていない。』


3割超返礼激減25自治体…地場産品以外も減る
https://www.yomiuri.co.jp/national/20181117-OYT1T50021.html

『総務省は(11月)16日、ふるさと納税に関する全国調査結果(今月1日時点)を公表した。返礼品の調達価格が寄付額の3割を超える自治体は25(全体の1・4%)となり、前回調査した9月1日時点の246(13・8%)から激減した。
地場産品以外の商品を送っている自治体も73(4・1%)になり、前回の190(10・6%)から減った。ただ、返礼品が「3割超」か「地場産品以外」のいずれかに当てはまる自治体は91(5・1%)ある。
総務省は〈1〉返礼品の調達価格を寄付額の3割以下とする〈2〉地場産品を使う――よう求めており、これらの自治体に見直す考えがあるかを確認する。総務省は、過度な返礼品で多額の寄付を集める自治体をふるさと納税制度の対象外とする方針だ。年末の与党の税制調査会での議論を踏まえ、地方税法改正を目指す。』


ふるさと納税、「違反」が大幅減 380から91自治体に
https://this.kiji.is/436050885753422945?c=39546741839462401

『総務省は(11月)16日、ふるさと納税の返礼品で「寄付額の30%以下の地場産品」という基準を守っていない自治体が、今月(11月)1日時点で91あったとする調査結果を発表した。前回調査(9月1日時点)の380から大幅に減少した。総務省が規制を強化する地方税法改正案を来年の通常国会に提出する方針を示したことを受け、見直しに動く自治体が相次いだ。
法規制は過度な返礼品の抑止が目的で、基準を守らない自治体を制度から除外し、寄付者が税優遇を受けられないようにする内容。総務省は与党税制調査会で法規制の了承を得た上で、年明け以降、91自治体をヒアリングして除外対象を絞り込む考え。』


ギター・商品券の返礼品やめたら…寄付75%減
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20181121-OYT1T50032.html

『前橋市が今年4~9月に受け入れたふるさと納税の寄付総額が、前年同期の4分の1に落ち込んだ。総務省通知に沿った返礼品の見直しが主因という。市は「寄付額の減少は残念だが、返礼品競争ではなく、社会性のある独自サービスを提供したい」としている。
市は(11月)20日の市議会総務常任委員会で、4~9月の寄付総額が約2368万円と、前年同期から75%減少したと報告。高額の寄付に対する返礼品でタブレット端末やギター、商品券などを扱っていたが、昨年6月末でこれらの取り扱いをやめた影響とみられる。寄付件数は732件と、減少率は9%にとどまった。
市は現在、寄付額に応じて花の苗を福祉施設に寄贈したり、墓や空き家の管理サービスを提供したりする「思いやり型の返礼品」の拡充に力を入れている。』


ふるさと納税「企業版」低調 17年度、個人版の0.6%
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38171590W8A121C1SHA000/?nf=1

『自治体に寄付した企業の税負担を軽くする「企業版ふるさと納税」が低調だ。2017年度の総額は約24億円で、個人版の0.6%にとどまった。内閣府が認定した自治体の事業に限られる一方、寄付の見返りは禁じられ、個人版の返礼品のように寄付を集める魅力を発信できずにいる。
企業版ふるさと納税は地方創生を進めるため、民間から自治体への新たな資金の流れをつくり出すために設けられた。』


国とバチバチ泉佐野「排除でも考え貫く」 ふるさと納税
https://www.asahi.com/articles/ASLCW5JVFLCWPPTB00J.html

『ふるさと納税で総務省が「過度」「地場産品でない」返礼品の見直しを求めている問題で、納税額首位の大阪府泉佐野市の千代松大耕(ちよまつひろやす)市長が(11月)27日、「地方の努力を踏みにじり、地方分権の流れに逆行している。今は(市の)考え方を貫き通したい」と述べ、従わない姿勢を示した。国は応じない自治体を制度から外す法改正も検討しているが、千代松市長は「排除されてもしかたない」とした。
この日の定例会見で記者団の質問に答えた。
同市への納税額は昨年度135億円。市域の関西空港に拠点を置く航空会社で利用できるポイントなどが人気を集めている。
市は「ルールは国が独断で決めるものではない」とし、返礼品を寄付額の3割以下とする根拠などを示すよう総務省に要求しているが、回答はないという。』


返礼品の真珠やめたら寄付激減…市が国に抗議文
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20181128-OYT1T50087.html

『三重県鳥羽市へのふるさと納税による今年度の寄付額は10月末現在で約7121万円と、前年同期に比べて24%に落ち込んでいることが市の集計で分かった。市は総務省からの指摘で、人気が高かった真珠製品を返礼品から除外したことなどが原因と分析。中村欣一郎市長は(11月)28日の記者会見で、他県には真珠の返礼品を続けている自治体もあるとして、同省に「抗議文」を提出したことを明らかにした。
2017年度の寄付額は鳥羽市が約4億9884万円で県内1位、志摩市が約3億6186万円で同2位だった。両市とも返礼品としてネックレスやイヤリングといった真珠製品の人気が高かったが、総務省から豪華な返礼品を自粛するよう要請を受け、昨年11月末で取り扱いを中止した。志摩市も今年10月末現在の寄付額は約2579万円と前年同期の12%に激減している。
鳥羽市によると、「抗議文」は8月30日付で、県を通じて同省市町村税課に提出。「鳥羽市は苦渋の決断で真珠製品の返礼を中止したが、依然として約束が守られていない自治体がある」などとして、同省が徹底した指導を行うよう求めている。』


1万円寄付、返礼品は3千ポイント…転売防止
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20181202-OYT1T50002.html

『千葉県勝浦市は、ふるさと納税の返礼品に市内の宿泊施設や飲食店で使える「電子感謝券」を11月30日から加えた。1万円分の寄付に対して3000円相当の3000ポイントがスマートフォンの専用アプリに付与されるもので、転売できない仕組みとなっている。
市は2016年度に1万円の寄付に対する返礼品として、7000円分の「かつうら七福感謝券」を贈呈して人気を呼び、29億円以上の寄付を集めた。
しかし、商品券に当たり、インターネットで転売されるなどしたことから、「制度の趣旨にそぐわない」と総務省の指摘を受け、17年2月で終了していた。今回の電子感謝券は、総務省のガイドラインにも沿ったものという。
市には昨年度、5億4222万円の寄付があり、今年度は11月29日までに約3億6000万円と昨年同期比で5割増と好調だ。西京漬けや干物など水産加工品が人気といい、県内初となる電子感謝券の投入で寄付額の県内トップをうかがう。猿田寿男市長は「電子感謝券も活用してほしい」と話した。』


返礼にiPad、ふるさと納税が急増 市は「地場産品」
https://www.asahi.com/articles/ASLCZ3VNZLCZTLLS005.html

『福岡県行橋市へのふるさと納税による寄付額が飛躍的に伸びている。8月からタブレット端末「iPad」を返礼品に加えたことが後押ししており、市は今年度の寄付額を過去最多の8億4千万円だった昨年度の約3倍に上る25億円と見込んでいる。
市は(12月)4日開会の12月定例市議会に19億円を追加する一般会計補正予算案などを提案する。今年度の寄付額について当初予算で7億5千万円と見込んだが、予想を超える寄付の増加に伴い、6月定例会で一度修正。ところが寄付の入金額は既に16億円を超え、見込み額を大きく上回った。このため19億円をさらに加えることにした。内訳は13億円を積立金とし、6億円を返礼品などの経費に充てる。
市は好調な要因について返礼品を見直したことなどを挙げ、現在の返礼品の種類は約1100件という。10月末現在の今年度の寄付額による返礼品人気ベスト3は①iPad(寄付額4億4千万円)②アップルウォッチ(1億2千万円)③アップルTV(3300万円)と、行橋の特産品ではないアップル製品が独占。特にiPadは2カ月ほどでトップに躍り出た。
返礼品については、総務省が「寄付額の3割以下」「地場産品」を自治体に求めている。豪華返礼品を見直す自治体もあり、佐賀県みやき町は8月にiPadなどを取り下げた。行橋市では3割以下は守ってきたが、地場産品の見直しは保留。田中純市長は「我々は市内の企業や個人が業として扱っている物は地場産品というくくりでやってきた。ルールが明確化されたら、それに従う」と説明している。上位を占めたアップル製品は市内業者が取り扱っている。』


寄付者1万人の個人情報漏えい=ふるさと納税、HPに誤掲載-山形市
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018120600802&g=soc

『山形市は(12月)6日、2017年度に同市にふるさと納税を行った寄付者1万14人の個人情報が、市ホームページ(HP)に誤って掲載されていたと発表した。寄付者本人の名前や住所、電話番号に加え、寄付金額、返礼品送付先などの情報も外部から見られる状態になっていた。
現時点で被害の報告はないという。市は今回の問題を受け、ふるさと納税の受け付けを当面停止することを決めた。同日記者会見した佐藤孝弘市長は「情報が漏えいした方々に対し、心からおわび申し上げる」と述べた。』





ふるさと納税でジンベイザメとのタイビングまで登場、返礼品が大激変
https://diamond.jp/articles/-/185532

『今年も残るは1ヵ月あまり。年収が確定する12月になると注目されるのが、「ふるさと納税」である。
ふるさと納税は、応援したい地方自治体に対して寄付をすることを目的に、総務省が2008年に設立した制度。2000円を超える寄付額については、住民税と所得税が一定額まで控除されるメリットがある。また、多くの自治体が寄附額に応じて返礼品を用意している。
寄付をすればその分、税金が控除されるし、返礼品も手に入れられるとあって、ふるさと納税の寄付額は年々伸びている。スタート時の2008年には81億4000万円だったが、昨年は3653億円(前年比1.28倍)にまで急増している。
ここまで伸びた背景には、豪華すぎる返礼品が増え、それ目当てに寄附が殺到するという構図がある。これに対して総務省が自粛要請の通達を出すといったニュースもあった。
もっとも、最近の傾向としては、地方への支援、自然災害への義援を目的にした寄付が増えている。そのあたりの事情を、1級ファイナンシャル・プランニング技能士で、ふるさと納税に詳しい風呂内亜矢さんに聞いてみた。

ここ数年、地震や豪雨などの被災地へ義援金として、ふるさと納税制度を利用するケースが増えています。この動きが顕著になったのは、2016年の熊本地震からでしょうか。NPO法人などの諸団体を通して送るよりも、直接スピーディに自治体に義援金を届けることができるので、利用者が増えています」
2015年、鬼怒川が決壊して周辺の自治体が水害に見舞われたが、その時もふるさと納税を通してすぐに寄付金が集まった。1つの町だけでは事務処理が間に合わず、周辺の自治体が助け合って応対に当たったという。ふるさと納税の本来の目的は、地方自治体の活性化にあるはず。それにかなった寄付が増えているのである。
「返礼品はふるさと納税の楽しみですが、最近では物よりも体験型の返礼品が喜ばれているようです。例えば、温泉旅館の宿泊券や各種のレジャー体験が増えていますね。高級レストランの食事券を出している自治体では、現地まで足を運ぶのが難しい人のために、居住地の近くで食事ができる、といった具合に、使い勝手をよくする工夫をしています」
一例を紹介すると、北海道白糠町のイカ釣り体験、鳥取市のパラグライダー体験、沖縄県読谷村のジンベイザメとの体験ダイビングなど。大阪府泉佐野市のがん検診、沖縄県金武町の人間ドックといった医療系サービスを提供する自治体も増えている。また、神奈川県秦野市では、有名メーカーが世界で一台だけの自転車を作ってくれるクーポン券を送っている。

急成長しているふるさと納税だが、意外なことに利用している人は、まだ2割程度だという。理由を聞いてみると、「年末の忙しい時期なので、つい忘れてしまう」「手続きが面倒くさい」「どうやって寄付したらいいのかわからない」――こんな声が聞かれた。
こういった方のために、職場で手軽にふるさと納税をできるサービスが登場している。
「オフィスでふるさと納税」は、同サービスの提供元であるユニメディアと、導入した会社の担当者が、その会社の社員のふるさと納税の手続きをフォローするというサービス内容。社員はオンライン上で、自分に適した金額を寄付でき、好きな返礼品を選択できるサービスである。
「ふるさと納税が始まって10年たちますが、会社員の利用は数パーセントに留まっているのが現状です。制度自体を十分に把握されていない方が多いのが理由だと思います。そのため、この制度のお得さと簡単さに気づいてもらうために立ち上げました」(ユニメディア広報部の細川祐介さん、以下同じ
現在100社を超える企業が新しい福利厚生サービスとして導入しており、その数は年々増えている。初期費用や利用料は一切かからない。その上、導入企業には寄付額の一部が事務手数料としてキャッシュバックされる。寄付額の数パーセントを寄付者個人に対して、Amazonギフト券をバックするか、当サービス導入企業自体に現金で事務手数料が支払われるかを選べる、なかなかお得なサービスである。
「企業に還元される事務手数料の使い道は、例えばイベントや懇親会の費用、また被災地への寄付などに使えます。用途によっては、企業のCSR活動の一環として広報することもできます」
このサービスでは、「ワンストップ特例」制度の申請書も自動的に作成できる。
「年末調整の時期になると、企業の給与担当者は社員の年収を把握できます。例えばAさんは○○○万円だから、○○万円まで寄付ができますよ、といったアドバイスをオンライン上でも送ることが可能です。自分はいくら寄付すれば良いのかを計算をする手間が省けるので、年末の忙しい時期には便利です」

個人で寄付をする場合、いくらを寄付すればいいのかを計算してくれるサイトもネットにはたくさんある。ふるさと納税未体験の方は、そういったサービスを利用して一度トライしてみてはいかがだろうか。ちなみに、2018年分の寄付控除の対象となるのは、12月31日までの申込み分。今から準備しておけば、余裕を持って作業ができるはずだ。』



ふるさと納税返礼品に「つけ麺」、正々堂々の裏メニュー
https://www.asahi.com/articles/ASLB043PJLB0OHGB006.html

『ふるさと納税で、一部の自治体が寄付金集めのために過度な返礼品を「裏メニュー」のような形で用意していたことに、総務省が警戒を強めている。一方で、岐阜県瑞穂市は正々堂々と「裏メニュー」を返礼品に加えたという。市職員が見つけ出した特産品とは?
「ピリ辛のつけ汁がなんとも言えない。瑞穂の水のうまさを感じられるつけ麺。この味は市外から人を呼べる味だ」
瑞穂市の行列ができる人気ラーメン店・麺切り白流で、つけ麺をすすった棚橋敏明市長がうなった。だしに魚の焼き干しを使った中華そばが人気の店。つけ麺は通常メニューにはない、ふるさと納税をした人限定の裏メニューだ。1万円寄付すると、つけ麺(3食分)の食券がもらえる。
瑞穂市は過去に返礼率が3割を超えているなどと総務省から指摘を受けた。市では、眠っている特産品を発掘して返礼品につなげようと職員が市内を歩き回り情報収集。つけ麺はその成果だ。
つけ麺が返礼品に加わったのは、ラーメンマニアの市総合政策課職員・佐藤之則さん(49)が休日に店で中華ソバを食べたのがきっかけ。「ラーメンマニアはたとえ店が遠くてもおいしいものを求める。この店の味は市外から足を運んでもらえる味だと直感した」。店の森下貴昭代表(46)と交渉し「市に貢献できるなら」と協力を取り付けた。』



ふるさと納税の見直し、豪華返礼品の規制が的外れな理由
https://diamond.jp/articles/-/183069

『「ふるさと納税」で自治体の返礼品競争の過熱やお買い得目当ての“寄付”が広がっている問題で、総務省は制度の抜本的な見直しに向けて検討を始めた。
寄付金に対する返礼品の割合が3割超の場合や、返礼品が地場産品でない場合の寄付を税優遇の対象からはずすという方向だ。しかしこの見直しは、いかにも表面的なもので、根本問題は解決しない。
より骨太の見直しが必要だ。

そもそも、「ふるさと納税制度」が生まれたのはなぜなのか。
抜本的な改革を考えるにあたっては、その経緯や背景を頭に入れておくことが重要だ。
90年代の終わりごろから、NPO活動が日本でも盛んになり、社会の注目を浴び始めた。彼らの活動を支えるのがその財源である。お金がなければボランティアだけでは活動は限定的だ。
そこで、欧米(といっても寄付の盛んな国は、米国と英国)に学んで、日本にも寄付文化を醸成しようではないか、という動きが始まった。これが寄付税制を拡充させることとなった。
一方、ほぼ時を同じくして、地方分権議論の盛り上がりのもとで、国・地方の財源や税源の見直し議論が始まった。小泉政権の下で行われた「三位一体改革」は、国から地方へ財源を移譲するものだった。
しかし、国から地方に財源を移譲すると、結局、東京などの大都市圏にその税収が集中し、地方都市には想定していた税収が集まらないことがわかってきた。
「税源移譲は、地方間の税収偏在を加速する」という冷酷な事実とともに、国と地方の税収配分ではなく、地方間(大都市圏とそれ以外の地方)の税源の偏在こそが問題なのだ、ということが認識され始めたのである。
国・地方の財源・税源の凸凹を是正する制度としては、国庫支出金(補助金)と地方交付税交付金の2つがある。しかし前者はひも付きで国からの指図に従わなければならないので、地方の自由度は縛られるという問題がある。
地方交付税制度(垂直的調整)は、東京都のような交付税不交付団体はこの制度の対象外なので、交付団体との格差是正は限界がある。また交付税制度の拡大は、国の地方自治への介入を招き、地方分権とは逆行する、ということで、それぞれ問題を抱えている。

そこで理想的な是正方法として、豊かな自治体からそうでない自治体へ直接、税収をやり取りするような制度(これを水平的調整という)が議論となった。スウェーデンなどはこの制度を導入している。
しかし、このような自治体同士の税収のやり取りを認める施策は、地方税の原則(さらには地方自治の本旨を定めた憲法の趣旨)からして、取り得ないのではないか、というのが大方の意見だった。
地方税は、住民の「受益」と「負担」のセットという考え方のもとで構築されている。住民が税を「負担」するのは、その自治体のサービスを「受益」しているから(応益税という)である。
水平的調整を行うと、「受益」がないのに「負担」するということになり、この大原則から外れ、憲法上の問題も惹起する可能性があるという議論だ。

このような議論を経て考えだされたのが、ふるさと納税制度だ。
住民個人の意思で「寄付」したのであれば、実質的な水平調整が可能になるのではないか、ということだ。
この制度を拡充すれば、「寄付」文化も醸成できるので、一石二鳥ということでもあった。
総務省の「ふるさと納税研究会報告書」(07年10月)には、制度設立の趣旨がこう書かれている。
「自分が生まれ教育を受けたが、その後は都会に出て働くことになったので、ふるさとの自治体には納税ができない。そこでお世話になったふるさとに、自分の意思で寄付ができる制度を作りたい」ということだった。

だが実際に「ふるさと納税」が始まると、想定外のことも起きた。
ふるさと納税制度では、札幌市や広島市など、いわゆる富裕自治体以外でも、それぞれ23億円、17億円という規模の財源流出が起きている。
つまり富裕団体からそうでない団体への税源の移転、自治体間の税収格差の是正という趣旨・目的と異なる状況が生じている。
また受け入れた寄付金は返礼品関連の費用として使われ、自治体の手元に残る金額は半分以下という状況だ。

平成29年度では、自治体の受け入れ額が3653億円で、そのうち2027億円が返礼品の調達など関連の費用に回り、財源になる部分は多くはない。
隠れた問題もある。流出側の自治体からクレームが出ないように、国税を使っての交付税措置が行われているのだ。
東京都や川崎市のような交付税不交付団体は別として、そうでない自治体は、流出による減収分の4分の3が国から補てんされる。地方間だけの財政調整のはずが、国税も地方間の税収格差の是正に使われているのだ。

ふるさと納税制度の改革の議論では、地方振興につながっていない返礼品の見直しが前面に出ているが、それは本質ではない。
以下、本質的な問題を議論したい。
第1に、「問題は返礼品競争ではなく寄付税制としての性格が薄れていることである。本来の寄付税制に戻しても、一定の返礼品があれば寄付は集まる。」ということである。
「寄付」というのは、身銭を切って金品を贈与することだ。現行の(通常の)寄付税制はこうなっている。
国・地方公共団体や認定NPO法人、特定公益増進法人などに、例えば10万円を寄付すると、国・自治体から5万円(正確には2000円を引いた金額の半分である4万9000円)が減税という形で戻ってくる。
つまり、個人が10万円寄付したいと思うと、自腹を切るのは半分の5万円で、国・地方が残りの5万円を負担してくれる(マッチングしてくれる)ということで、寄付にインセンティブを付ける形になっている。
この制度の下で、寄付額の30%、つまり3万円の返礼品が返ってきたとすると、本人の持ち出しは実質2万円である(5万円―3万円)。この程度の自腹・身銭を切る部分を作れば、支援する人と支援を受ける自治体との間に連携ができてくる。
ところが、ふるさと納税制度では、寄付する人は上限2000円の税負担ですみ、さらに寄付額の3割程度の返礼品が来るので、その分はすべて「お得」ということになっている。
また高所得者ほど高価な返礼品が受け取れる制度なので、実態はお金持ちのカタログショッピングになっている。したがって、ふるさと納税制度を通常の寄付税制に戻す必要がある。

第2に、「地方間の税収格差の是正は、法人税制度全体の見直しで行うこと」である。
現在、東京都と沖縄県とでは、1人当たり税収(地方税合計)で2.4倍の格差があるが、税収の偏在度の最も大きいのは、地方法人2税(法人事業税、法人住民税)だ、1人当たり税収格差は6.1倍もある。
地方間の税収の格差を是正するにはこの税の在り方を見直す必要がある。
地方税や地方法人2税の税収格差は下記の図の通りだ。

地方税格差

問題の根底には、そもそも企業が集まる大都市と、企業の少ない中小自治体など、地方の間で税収格差が生じ得る法人税がなぜ地方税になっているのかという根本的な問題がある。
実際、法人税を地方税としている先進国は少ない。連邦制をとる米国・カナダを除くほとんどの国では国税、あるいはドイツのように国税との共同税となっている。
法人税は世界の動向や企業の活動に大きな影響を及ぼすので、国の方針のもとで決めるべきだというのが先進諸国の考え方である。
日本で、ただちに、地方法人2税を国税に移管(消費税など他の税目と税源交換)することは現実には難しい。
そこで、まずは地方法人2税を国税である法人税と一本化し、国・地方の共同税とする。その上で、地方税部分を人口や経済力など客観的な指標で再配分する方法を考えるべきではないだろうか。
法人に関する税制を一本化すれば、法人税や法人事業税で現在ばらばらの課税ベースの統一が図られ、企業にとってもメリットは大きいはずだ。
現在、東京都と総務省との間で、地方法人税の配分を巡って議論が続いているが、東京都にも子育てや介護の財政需要が多くあり、単純に東京都から地方都市などに税収を移せばよい、と考えることは問題がある。
地方経済の疲弊が問題になる中、高齢化社会の中で日本全体のためにどのような国・地方の税制にしていくのかという視点が重要である。』

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